矢田・太田法律事務所のBLOG

弁護士太田理恵のブログです。士業の仕事術やインフラ整備など。

所在不明の債務者の探し方

お金を貸した相手や、代金支払い義務のある者等の債務者が所在不明となってしまった場合、どのようにして債権回収をすべきでしょうか。

債務者に訴訟外で請求をするにしろ、訴訟を提起するにしろ、原則として債務者の住所の情報が必要となります。

債権回収を弁護士に依頼された場合には、弁護士は、法律上認められた手段を使って、債務者の住所を調査することができます。

1.電話番号から探す

債務者の携帯の電話番号は分かるが、債務者が電話に出ずに連絡がとれない場合があります。

そのような場合に、弁護士会を通じて、携帯電話会社に照会をかけて、住所を開示してもらうという方法をとることができます(23条照会)。

携帯電話会社が、当該照会に応じて情報を開示すると、債務者が携帯電話会社に登録している住所を知ることができます。

ただし、債務者が最新の住所を携帯電話会社に登録していない場合には、現在の住所を知ることはできません。

また、債務者がプリペイド式携帯電話を使用していた場合には、基本的に住所の登録がないので、現在の住所を知ることはできません。

 
2.旧住所から探す
債務者のある一定の時期の住所は分かるが、最新の住所が分からない場合があります。
そのような場合に、弁護士の職務上の請求として旧住所の住民票の除票の請求をすることができます。
その際に、本籍地の記載されたものを請求します。
そして、住民票の除票で判明した本籍を利用して、弁護士の職務上の請求として、戸籍の附票を請求します。
戸籍の附票には、住所の変遷が記載されているので、最終の住所が判明します。
しかし、転出届の提出や住民票登録を怠っている場合には、住所を知ることはできません。