矢田・太田法律事務所のBLOG

弁護士太田理恵のブログです。士業の仕事術やインフラ整備など。

ハッピーセットのおもちゃはいくら?

マクドナルドのハッピーセットには、毎回話題のおもちゃが景品としてついています。

そのおもちゃの価格はどれくらいなのでしょうか?

実は、景品の額については、法律で規制があります。

具体的には、懸賞によらない景品は、商品が1000円未満の場合には、200円までという制限があります。

ハッピーセットの価格は460円から500円(一部店舗を除く。)なので、マクドナルドが法律を遵守していることを前提とすると、おもちゃは、200円以下(通常の取引価格)ということになります。

つまり、マクドナルドは、200円以下の範囲内で、マーケ-ティング上の必要性や利益率を考慮しておもちゃを決定しているのです。

 

そもそも、マクドナルドが宣伝の効果を狙って、一定期間に限って、ハッピーセット単体の利益率を度外視して、200円より高いおもちゃを採用するということも、経営判断としてはありえます。

また、飲料メーカーが、新商品の150円のペットボトルの初動販売数を上げるため、200円より高い景品を付けるということも、マーケティング判断としてありえます。

高価な景品が付いていても、消費者が経済的に損をする訳ではないので、何も問題がないようにも思えます。

では、なぜ法律で規制されているのでしょうか?

景品についての規制をしている景品表示法は、一般消費者の自主的かつ合理的な選択を確保し、その利益を保護する目的で定められています。

つまり、景品の規制がないと、事業者が品質を良くする努力等をするよりも、安易に景品を付けて誘引を図ろうとするようになってしまうので、それを規制する目的があります。

また、一般消費者も景品が多いか少ないか、景品の価格が高いか低いかによって、商品を選ぶようになってしまい、一般消費者の自主的かつ合理的な選択が阻害されるのを防ぐ目的があるのです。

一般消費者である私たちが、不必要に景品に踊らされずに、商品を選択できるように規制されているのです。

 

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