矢田・太田法律事務所のBLOG

弁護士太田理恵のブログです。士業の仕事術やインフラ整備など。

交通事故の相手方が任意保険に入っていなかったら?

法律で加入が義務付けられている自賠責保険の他に、なぜ任意の自動車保険に入ることが推奨されているのでしょうか?

 

その理由は、自賠責保険では、補償範囲が限られてしまうからです。

具体的には、自賠責保険では相手方への補償に関しては、死傷の場合には補償額に上限がありますし、物損の場合には補償はなされません

 

つまり、相手を死傷させてしまい、損害賠償請求をされた場合に、自賠責保険の上限を超えた分については、ご自身で相手方に支払う必要があるのです。

また、相手の車等を破損してしまい、損害賠償請求された場合には、全額ご自身で相手方に支払う必要があるのです。

 

したがって、ご自身の負担を軽減し、相手方への補償を確実にするために、任意の自動車保険に入ることが推奨されるのです。

 

では、交通事故の相手方が任意保険に入っていない場合にはどうなるのでしょうか?

そのような場合には、残念ながら、十分な補償を受けられない場合があります。

つまり、自賠責保険の範囲外の部分については、相手方の保険会社ではなく、相手方から直接支払われることになるので、補償の有無は、相手方の資力等によるところになるのです。

そのため、自分の車をぶつけられて、修理代金が発生したのに、相手方から賠償金を一括で払ってもらえず、分割でしか支払ってもらえない場合もあります。相手方の態度によっては、全く払ってもらえない場合もあります。そのような場合には、相手方に対して、訴訟を提起することを検討することになります。

 

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