契約書を弁護士がチェックするメリットは?
契約書が契約の相手方から送付された場合に、そのまま署名捺印して返すという処理をしている方も多いと思います。
しかし、署名捺印をする前に、弁護士に契約書のチェックを依頼するメリットとしては、以下のものがあります。
1.法的なメリット
(1)交渉の経緯や力関係に基づく修正
契約書の雛形はインターネット上に存在していますし、書籍にも理想的な契約書の雛形が掲載されております。
しかし、その理想的な雛形通りに修正するのが、弁護士の仕事ではありません。
なぜなら、交渉の経緯や力関係を無視して契約書を修正すると、依頼者の契約交渉が混乱してしまうからです。
よって、弁護士は、そもそも相手方提案の契約書を修正できるのか、修正できるとしても、依頼者にどの程度有利に修正できるのかについて、依頼者からヒヤリングをした上で、当該交渉案件において適切な内容に修正していきます。
(2)契約の目的の達成
契約書に契約が成立するために必要な要素が満たされていなければ、契約の目的を達成することができなくなる可能性があります。
例えば、売買契約であれば、基本的には、売買の対象となるものや代金等について記載されているかについてチェックします。
(3)紛争の予防
次に、将来の紛争を予防するため、通常その契約に入れておくべき条項が満たされているかをチェックします。
例えば、取引上で相手方に知られてしまう依頼者の機密情報が第三者に流出するのを防止するため、守秘義務についての条項を入れることがあります。
2.ビジネス上のメリット
弁護士に依頼した場合、ビジネスの方針や方向性、展望に沿った契約条項を作成することができます。
例えば、契約期間についての条項は、依頼者が、試しに1年だけ契約したいという方針であれば、契約期間が1年より長くなっていないか、自動更新になっていないかなどをチェックします。
できるだけ長く契約したいという方針であれば、自動更新となっているかをチェックします。
ただし、ビジネス上の方針を契約書に反映させるためには、依頼者の方と弁護士とのコミュニケーションが重要となります。
弁護士に契約書をチェックさせる場合には、当該ビジネスの方針等についても、弁護士にお伝えいただくことをおすすめいたします。
「カロリーゼロ」はゼロでない?
近年「カロリーゼロ」と表示された商品が数多く見受けられます。
しかし、「カロリーゼロ」と表示された商品のなかには、カロリーがあるものがあります。
実は、カロリーがあっても、「ゼロ」と表示していいことになっているのです。
健康増進法に基づいて定められている栄養表示基準においては、食品の場合には100グラムあたり、飲料の場合には100ミリリットルあたり、5キロカロリー未満の場合、「0」や「ゼロ」と表示することができるとされています。
つまり、カロリーゼロだと思って1リットル飲んだら、50キロカロリー近く摂取していたということもありえるということなのです。
しかし、この法律及び基準は、消費者を騙すことを推進しているのではなく、ゼロと同視しても問題ないくらいに少ないものであるから、「ゼロ」と表示することを認めているのです。
カロリーだけではなく、脂質や糖類も100グラム(100ミリリットル)あたり0.5グラム未満であれば「ゼロ」と表示できます。
商品によっては、「カロリーゼロ」という表示の横に「※」印が付いており、「栄養表示基準による」と書かれていることがあります。
これは、5キロカロリー未満なのでゼロと表示していますということを丁寧に示しているのです。
ハッピーセットのおもちゃはいくら?
マクドナルドのハッピーセットには、毎回話題のおもちゃが景品としてついています。
そのおもちゃの価格はどれくらいなのでしょうか?
実は、景品の額については、法律で規制があります。
具体的には、懸賞によらない景品は、商品が1000円未満の場合には、200円までという制限があります。
ハッピーセットの価格は460円から500円(一部店舗を除く。)なので、マクドナルドが法律を遵守していることを前提とすると、おもちゃは、200円以下(通常の取引価格)ということになります。
つまり、マクドナルドは、200円以下の範囲内で、マーケ-ティング上の必要性や利益率を考慮しておもちゃを決定しているのです。
そもそも、マクドナルドが宣伝の効果を狙って、一定期間に限って、ハッピーセット単体の利益率を度外視して、200円より高いおもちゃを採用するということも、経営判断としてはありえます。
また、飲料メーカーが、新商品の150円のペットボトルの初動販売数を上げるため、200円より高い景品を付けるということも、マーケティング判断としてありえます。
高価な景品が付いていても、消費者が経済的に損をする訳ではないので、何も問題がないようにも思えます。
では、なぜ法律で規制されているのでしょうか?
景品についての規制をしている景品表示法は、一般消費者の自主的かつ合理的な選択を確保し、その利益を保護する目的で定められています。
つまり、景品の規制がないと、事業者が品質を良くする努力等をするよりも、安易に景品を付けて誘引を図ろうとするようになってしまうので、それを規制する目的があります。
また、一般消費者も景品が多いか少ないか、景品の価格が高いか低いかによって、商品を選ぶようになってしまい、一般消費者の自主的かつ合理的な選択が阻害されるのを防ぐ目的があるのです。
一般消費者である私たちが、不必要に景品に踊らされずに、商品を選択できるように規制されているのです。
士業・個人事業主のデータのバックアップ法
パソコンには寿命があるので、パソコンが故障し、パソコン上のデータを消失してしまう可能性があります。
そこで、パソコン全体のデータをパソコンとは別の場所で保存する、つまりバックアップをとっておく必要があるのです。
では、バックアップにはどのような方法があるでしょうか?
1.USBメモリ
BUFFALO USB3.0対応 USBメモリ バリューモデル 8GB ホワイト RUF3-K8GA-WH
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USBメモリは、他のデバイスと比較して安いですし、持ち歩くこともできます。
しかし、USBメモリ自体が壊れるリスクが他のデバイスより高く、また小さいデバイスである以上、紛失のリスクも高くなります。
さらに、容量が小さいので、保存できるデータに限りがあります。
そのため、USBメモリでのバックアップは、パソコン全体というより、特定のファイルのみのバックアップに適していると思います。
2.ポータブルHDD
BUFFALO ターボPC EX2 USB3.0 ポータブルHDD 1TB ローズ HD-PNT1.0U3-PC
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ポータブルHDDは、USBメモリと比較すると、容量は大きくなります。
しかし、磁気や衝撃に弱いとも言われているので、持ち歩いていると、故障するリスクがあります。
私も、ノートパソコンを主として使用していたときには、このタイプのものを使用していました。
しかし、ノートパソコンのUSBポートが少なかったので、バックアップするときだけHDDをつないでいると、結局バックアップするのが面倒になり、あまり使わなくなってしまいました。
まめにバックアップできる方や、パソコンにつないだまま自動バックアップ設定される方に適していると思います。
3.クラウドストレージサービス
クラウドストレージとは、一般にインターネット上でデータを保存する場所を借りるものです。
iPhoneを利用している方の多くは、iCloudを利用して、自動で毎日iPhoneのバックアップをとっている方も多いと思います。
iCloudを利用していれば、iPhoneが故障しても、他のiPhoneやパソコンからデータを復元できます。
このようなクラウドサービスと同じ要領で、パソコン内のデータをクラウドストレージに保存するという方法があります。
インターネット接続があれば自動でバックアップでき、デバイスも設置する必要がない点でとても便利です。
また、インターネット接続があれば、基本的にどのようなデバイスからも保存したデータを閲覧できます。
しかし、リスクは非常に小さいと思いますが、理論上は、バックアップが消失しまったり、ハッキング等によりデータ流出のリスクがあります。
実際に、iCloudがハッキングされ、アメリカの女優のプライベート写真が流出したという事件がありました。
また、クラウドサービスの一種であるヤフーメールにおいて、過去にメールが消失するという事件がありました。
クラウドストレージは、パスワード管理等をしっかりやっていれば、個人がプライベートで使用するのには、適していると思います。
ビジネスで利用する場合には、理論上のリスクがあることを認識しておく必要があります。
4.外付けHDD
BUFFALO USB3.0 外付けハードディスク PC/家電対応 3TB HD-LC3.0U3/N [フラストレーションフリーパッケージ(FFP)]
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外付けHDDは、容量も大きいので、上限を気にせずにデータをバックアップできます。
また、バックアップの時間も短いです。
さらに、設定をすれば、自動でバックアップもすることができます。
しかし、基本的にUSBで接続するタイプなので、USB接続している一台のパソコンのみしかバックアップできません。
パソコン一台のみをバックアップする必要がある場合には、外付けHDDが適していると思います。
5.NAS
BUFFALO リンクステーション スマホ・タブレットで使える ネットワークHDD(NAS) 2TB LS210D0201C
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弁護士業など、秘匿性の高い情報を扱う場合には、クラウドストレージサービスの小さいリスクについても考慮する必要があるので、弊事務所では、NASを採用しています。
有線LANに接続した複数のパソコンのバックアップができます(無線対応にもできます)。
また、共有ファイルのサーバーととして使用するものと、それをバックアップするものの2台体制にすることで、仮に、1台が故障しても、データが消失することのないようにしています。
さらに、夜中に自動でバックアップをとるようにしているので、間違えてデータを上書きしてしまったときには、もう一台のNASに保存されたデータを復元することができます。
ただし、NASの設定は少し複雑なので、専門家の方にやってもらう方がよいかもしれません。
また、NASも機械である以上、高温には弱いので、置き場所や室温には注意する必要があります。
以上のように、バックアップの手段は様々なものがあります。
必要性とリスクを勘案して、適しているものを選択することをおすすめします。
そして、バックアップの技術は、日々進化しており、私自身も、色々な手段に着目して試行錯誤しております。
士業、自営業におすすめな仕事が効率化する事務用品
これまでも、パソコンのモニター、オフィスチェア、キーボードを紹介してきましたが、 今回は、その他の仕事が効率化する事務用品を紹介します。
1.ルンバ
ロボット掃除機を家庭で使用されている方も多いと思いますが、事務所のお掃除に使用するのもおすすめです。
ルンバは価格は高めですが、人件費、時間を削減できると考えると、ルンバを使用する方が長期的には経済的だと思います。
ただ、精密機械など、ルンバがぶつかると壊れてしまうものの周りには、下記写真の「デュアルバーチャルウォール」を使用しています。
一般的なバーチャルウォールは、ウォールという言葉通り、直線的な壁をつくって、ルンバの進入を防ぎます。
しかし、デュアルバーチャルウォールは、半径60センチメートルの円の壁をつくって、ルンバの進入を防ぐので、特定の機械等の周りだけを進入禁止にできるのです。
(直線的な壁をつくるもの)
(円の壁をつくるもの)
2.コードレス掃除機
事務所の掃除は、全般的にルンバに任せていますが、ルンバの進入禁止区域や部分的な掃除には、マキタのコードレスクリーナーを使用しています。
とても軽いですし、小さいので、細かいところも簡単に掃除できます。
しかも、コードレスなので、掃除しようと思い立って行動するまでのハードルがとても低いのです。
マキタの掃除機には、様々な種類があるのですが、スイッチを手で握ってオンオフできる下記のタイプは、他のタイプと比較して値段も低めでちょっとした掃除にぴったりだと思います。
3.マグネットホワイトボード
一般的なホワイトボードは、設置するのに場所をとってしまいます。
しかし、マグネットシートタイプのホワイトボードは、スチールの壁に貼るだけなので、場所をとらず、しかもホワイトボードよりも安いです。
シールのタイプのホワイトボードも試しましたが、気泡なく貼ることができませんでした。
マグネットホワイトボードも、一般的なホワイトボードと同様に、何度も使用してくると、書いたものをイレーサーで綺麗に消せなくなります。
しかし、アルコールで拭くと、元通りに真っ白になります。
コクヨ 軽量ホワイトボード マグネットシート 無地 マット 1200×900mm FB-HSM34W
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- メディア: オフィス用品
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4.アクリルのトレー
アクリルのトレーは、プラスチックのものよりも確かに値段は高いです。
しかし、質感はプラスチックと異なり、しっかりしていますし、透明度も高いです。
透明なものをおすすめする理由は、下の段に入っているものも見えることにより、その存在を忘れることがなくなることです。
また、アクリルの透明度が高く綺麗なので、トレーに置きっぱなしにしていたらいけないという心理が働いて、処理が早くなります。
5.シュレッダー
基本的に、弁護士業においては、機密事項を扱うので、作成した書類等を廃棄する場合には、すべてシュレッダーにかける必要があります。
以前は、小型のシュレッダーを使用していたのですが、数枚ずつ手差しで機械に入れるタイプだったので、シュレッダーに紙が吸い込まれてから次の紙を入れるまで、その場で待たなければならず、細断に時間がかかっていました。
しかし、最近下記のシュレッダーを導入しました。
最大300枚の紙をまとめて、トレーに入れておくと、自動で細断してくれるので、シュレッダーから離れることができます。
また、トレーに入れた後、蓋をして細断を開始させるので、一般的なシュレッダーのように、手が吸い込まれて怪我しそうな恐怖感もありません。
細断の音は、それなりにするのですが、同じ部屋で電話ができる程度です。
このシュレッダーを導入してから、シュレッダー待ちの書類の量が激減しました。
GBC シュレッダー 300枚細断 マイクロカット オートフィード GCS300AFM-B
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ちなみに、私が使用している、パソコンのモニター、オフィスチェア、キーボードは過去の記事で紹介しています。
所在不明の債務者の探し方
お金を貸した相手や、代金支払い義務のある者等の債務者が所在不明となってしまった場合、どのようにして債権回収をすべきでしょうか。
債務者に訴訟外で請求をするにしろ、訴訟を提起するにしろ、原則として債務者の住所の情報が必要となります。
債権回収を弁護士に依頼された場合には、弁護士は、法律上認められた手段を使って、債務者の住所を調査することができます。
1.電話番号から探す
債務者の携帯の電話番号は分かるが、債務者が電話に出ずに連絡がとれない場合があります。
そのような場合に、弁護士会を通じて、携帯電話会社に照会をかけて、住所を開示してもらうという方法をとることができます(23条照会)。
携帯電話会社が、当該照会に応じて情報を開示すると、債務者が携帯電話会社に登録している住所を知ることができます。
ただし、債務者が最新の住所を携帯電話会社に登録していない場合には、現在の住所を知ることはできません。
また、債務者がプリペイド式携帯電話を使用していた場合には、基本的に住所の登録がないので、現在の住所を知ることはできません。
自動車のローンを組むときの注意点
自動車を購入するにあたって、ローンを組む場合、金利、月々の支払額や支払年数、審査の難易度等に注目する方が多いかと思います。
しかし、実は、これらの点だけでなく、自動車の所有者は誰になるのかについても確認することが重要です。
販売店系、信販会社系のローンの場合には、ローンの支払いをしている間、基本的に自動車の購入者に所有権はありません。
そのため、ローンの不払いがあると、自動車を引き上げられることがあります。
また、自動車の所有権がない以上、転売もできません。
銀行系のローンの場合には、基本的には、自動車の購入者が自動車の所有者となります。
そのため、ローンの支払いを滞納しても、自動車を引き上げられるということはありません。
しかし、ローン会社から、勤務先の給料などの財産を差し押さえられることがあります。給料が差押えられると、勤務先にも不払いの事実が知られることになります。
また、自動車の所有権があれば、ローンが残っている間であっても、基本的に自動車の転売はできます。
しかし、ローン自体の契約者はご自身である以上、ローンの支払義務は自動車の新所有者には移転せず、ローンの支払いは残ることになります。
中古車を知り合い等から購入するにあたっても、売ろうとしている知り合いが本当に所有権を有しているのかを、車検証等であらかじめ確認する必要があります。
所有者がローン会社になっている場合には、転売は禁止されているはずですので、転売は違法ということになります。
したがって、自動車を購入する際には、ローン契約の内容として、自動車の所有者は誰になるのかを確認してみてください。
また、中古車を購入するにあたっては、車検証の所有者の欄も確認することが必要です。